ノマドの足跡

旅、酒、ニュース、仕事関連などなど。思いつくまま書いたものです。

【本】 A・M・ナイル 『知られざるインド独立闘争』

日曜日。
友人たちと待ち合わせて汐留のインド料理店にカレーを食べに行きました。
しかし、残念ながらその日は貸し切りのため、一般客はお断り。。。
とはいえ、私たちの「カレー・モード」が収まりません。
とにかくどこかでカレーを食べようと、銀座方面へ。
その時、うちの嫁さんが思い出したのが、東銀座の「ナイル・レストラン」。
以前、ある芸能人の「行きつけの店」みたいなのでテレビで紹介されていたらしいです。
都営浅草線・東銀座駅のすぐ近くにあるお店はごく小さいものでした。
二階建てですがそれほどキャパはないらしく、7〜8人ほどが並んでいました。
ただ、タイミングがよかったのか、回転がいいのか、ほんの数分で入ることができました。
昔ながらの洋食屋にあるステンレスのお皿に出てくるカレーライスは、なかなかに深みのある味で美味しかったのですが。。。




壁に飾られてある、何冊もの本が気になりました。
そこに置かれてあったのがこの本。



A・M・ナイル『知られざるインド独立闘争』風濤社、2008。



「なるほど・・・『中村屋のボース』みたいなものか・・・」


ついそう独りごちてしまったのが聞こえたのでしょうか。
店主のナイルさんがいらして、説明をはじめてくれました。


まず、この本の著者A・M・ナイル氏が、店主のお父さんだということ。
インド独立闘争の志士として日本に亡命してきて、中国・満州・モンゴルへも展開しながら独立運動を画策してきたこと。
そして戦後、この東銀座の地にこの「ナイル・レストラン」を開業したこと。

インド独立闘争の歴史はおろか、インドの大まかな歴史すらよく知らない私にとって、ベストセラーにもなった「中村屋のボース」はかろうじて知っていた本でした。
が、それも、当らずしも遠からず、といったところだったのでしょう。
中村屋のボース」は、新宿・中村屋に匿われ、独立闘争を後方支援しながら中村屋インドカレーを伝授しました。
一方このナイルさんは、独立闘争で国際的に飛び回ったあと、戦後にこのレストランを開業し、インド料理を広めたわけです。
ガイドには、「インド料理の草分け的存在」などと紹介されていたりします。
たしかに、カレーは美味しかったですが、それよりも、インド独立の歴史とA・M・ナイル氏の話に耳を傾ける人は多くないのでしょうか?
店主のナイルさんは、実に熱心にいろいろと語ってくれました。結構お店は混み合っていたのに。。。
で、私もすっかりその気になって、その場でこの本を購入。
せっかくなので、ナイルさんの署名もお願いしました。


帰り際、署名を終えたナイルさんから、
「ぜひまたいらっしゃい。平日の午後は客も少ないので。」
と、いわれました。
平日の午後に訪れると、じっくりいろんな話が聞けそうです。
500ページ近くある大著ですが、この本を読み終わったら、もう一度「ナイル・レストラン」を訪れてみようかと思っています。




A・M・ナイル 『知られざるインド独立闘争』

知られざるインド独立闘争―A・M・ナイル回想録

知られざるインド独立闘争―A・M・ナイル回想録


風濤社
http://futohsha.co.jp/others/index.html#indo



中島岳志中村屋のボース』

中村屋のボース―インド独立運動と近代日本のアジア主義

中村屋のボース―インド独立運動と近代日本のアジア主義